太宰治『ダス・ゲマイネ』

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 注意事項

・いわゆるネタバレを含みます。

・あらすじは作品の一部を運営者が独断で切り抜き、纏めたものです。

・作中で設定などが明らかになる順序が前後している場合があります。

・あらすじによって作品を理解することや、その面白さを判断することはできません。ぜひ作品自体を手に取ってみてください。

 

以上のことご了承の上お読みください。

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あらすじ(約1,000字)

 大学生の佐野次郎(あだ名)はとある遊郭の女に恋をしており、金がないときにはその女によく似たお菊という少女に会うため、彼女の働く甘酒屋に入り浸っていた。彼はそこで奇妙な身なりをした音大生の馬場という男に出会う。  何度か顔を合わせる中、馬場はヨオゼフ・シゲティというヴァイオリンの名手が来日した際、二人で飲み歩いた経験があり、自分は日本で唯一彼に評価されていたのだと自慢した。佐野次郎は彼が外国人と語り合えるほど語学ができるか怪しい上、空っぽのヴァイオリンケースを提げている姿から、楽器を手にしたことがあるのかさえ疑問だったが、ヴァイオリンよりもケースを愛する馬場のように、佐野次郎も彼の精神や技量よりも風姿や冗談に魅せられていった。

 ある日、佐野次郎は馬場を遊郭へと連れていく。そこで自分が想いを寄せている相手を馬場に紹介すると、お菊に似ていることを指摘され、いくらか気まずくなってしまう。しかしうまく和解し、さらに友好を深めていった。 後日、佐野次郎は女に逃げられ失恋した。自殺を考える佐野次郎だが、馬場に止められ、一緒に「海賊」という雑誌の制作を持ち掛けられる。

「海賊」の企画を進める中、佐野次郎は馬場から佐竹という画家を紹介される。からかうような態度を見せる佐竹に馬場は少々険悪になるが、その場は何事もなく収まった。後日、佐野次郎は上野動物園でスケッチをしている佐竹と遭遇する。彼から馬場とヨオゼフ・シゲティの話は嘘であり、馬場は他にも様々な嘘を吐くのだと告げられる佐野次郎だったが、しかし自分は馬場を信じていると突き返す。その翌日には馬場、佐竹、佐野次郎に加えて太宰治という作家を交えて「海賊」の会議をする予定だったが、佐竹はその場に水を差してやろうと提案した。

 翌日、集合してすぐに馬場は太宰と言い合いになり、最終的に馬場が太宰を殴って「海賊」の企画は水に流れた。その晩、佐野次郎は馬場と飲み、彼から「誰を一番好きなんだ?」と訊ねられる。佐野次郎が「誰もみんな嫌いです。菊ちゃんだけを好きなんだ」と答えると馬場は涙を流した。佐野次郎は一人で店を出ると、自身の口から太宰や佐竹、馬場の言葉が溢れ出し、「私はいったい誰だろう」という疑念に取りつかれて、走り出し、電車にはねられる。  翌日、佐野次郎の死を受けた佐竹と馬場は、お菊を慰めながら、二人で仲良く遊ぼうと提案。最後に佐竹が「人は誰でもみんな死ぬさ」と言い残す。

おわりに

今回は省略しましたが、

・馬場が奇抜な格好をする理由、

・小説が書けない馬場と彼の自意識について、

太宰治の外見に関する描写、

・馬場と太宰の口論の内容、 など

他にも重要な場面や描写が無数にあります。 また、このあらすじでは作者の巧みな文章表現を楽しむことはできません。 (あらすじはあくまでサイト運営者が個人で書いたものであり、作品の持ち味や面白さを表現することは出来ていません) ぜひ作品自体を読んでみてください。

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