シェイクスピア『リア王』
ウィリアム・シェイクスピア「リア王」(原題“King Lear”)
注意事項
・いわゆるネタバレを含みます。
・あらすじは作品の一部を運営者が独断で切り抜き、纏めたものです。
・作中で設定などが明らかになる順序が前後している場合があります。
・あらすじによって作品を理解することや、その面白さを判断することはできません。ぜひ作品自体を手に取ってみてください。
以上のことご了承の上お読みください。
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あらすじ(約2,000字)
第一幕
ブリテン王のリアは高齢のため退位し、国を三人の娘に引き渡そうとする。
長女のゴネリルと次女のリーガンは巧みな話術で父への敬意を示し、国を分け与えられるが、末娘のコーディリアは率直な物言いしかできず、「父を尊敬するのは当然であり、特に言うことは無い」「姉たちが婿を迎えたのは、父が一番でないからだ」などと答え、父の怒りを買って勘当され、王との縁が切れた彼女はフランス王に拾われて王妃となった。またコーディリアをかばったケント伯爵は追放を言い渡された。
一方、グロスター伯爵の庶子であるエドマンドは、嫡子のエドガーよりも自分の地位が低いことが我慢ならず、エドガーが父に謀反を企てているという手紙を偽造し、それをグロスターに見せることで、グロスターにエドガーに対する猜疑心を抱かせていた。
権威を譲ったリアは側近を連れて、娘二人の城の客として暮らす約束をしていたが、娘二人は年のせいで気が変わりやすくなっている父のことを追い払う策略をしていた。ゴネリルは城に泊まるリアが依然として王のような態度をとることが気に入らず、分をわきまえて側近の数を減らすことをリアに要求する。それを受けたリアは憤激し、リーガンに助けを求めるために、彼女の城を去る。
第二幕
グロスターの城にリーガン夫妻が宿泊するという知らせが入る。それを耳にしたエドマンドは、エドガーをだまして城から追い出し、自分の腕に傷をつけたうえで、父の殺害を阻止するため兄と切り結んだと報告した。この行為によってグロスターとリーガン、リーガンの婿コーンウォールの信頼を得る。
ゴネリルから追い出されたリアもその城に到着するが、リーガンはリアに対して城に泊まるのであれば側近をさらに減らせと要求する。リアは憤慨し、やはりゴネリルのもとへ戻ろうとするが、そこに登場したゴネリルはリアの側近を一人も迎えるつもりはないと突き放した。
第三幕
娘二人に裏切られて城を飛び出したリアは、嵐の荒野にて嘆き狂う。変装して再びリアに仕えていたケントが、近くの小屋に身を置かせると、そこには城を追われたエドガーが、狂った乞食のふりをして身を置いていた。彼は家族に裏切られた者同士、また気が狂ったもの同士、リアと意気投合する。
グロスターはコーンウォールの指示に背き、リアを助けに行くが、そのことをエドマンドに密告される。彼はリアをドーヴァーへ避難させた後に、コーンウォールにとらえられ、片目をつぶされた。自分のことを密告したのが息子のエドマンドだと知り、エドガーもエドマンドにはめられていたのだと思い当る。グロスターはもう片方の目も潰されるが、それに対抗した彼の召使がコーンウォールを打ち取り、そのすきに逃亡した
第四幕
盲人となったグロスターは正体を隠したエドガーに手を引かれて、ドーヴァーへと向かう。 フランス王に嫁いだコーディリアはリアの境遇を耳にして、父を救うためにブリテンへと軍を進行させており、その拠点がドーヴァーに置かれていたのだった。
ゴネリルの婿アルバーニは、フランス軍を迎え撃つ準備を進める中、リア王に対する仕打ちを見かねて、ゴネリルと不和になる。また、コーンウォールが死んだ経緯を聞き、父を売ったエドマンドにも怒りを示す。
一方、ゴネリルとエドマンドは、アルバーニを殺害し、婚約すること誓い合っており、その作戦に関する手紙をゴネリルは執事に持たせていた。
執事はグロスターの殺害も命じられたが、グロスターと行動を共にしていたエドガーに返り討ちにされる。エドガーは彼の懐からゴネリルの手紙を手に入れる。
開戦時、リーガンもゴネリルと同様にエドマンドに言い寄っていた。そんな中、アルバーニのもとに、顔を隠したエドガーが執事から入手した手紙を渡す。エドガーは戦争に勝利した際、手紙に目を通したうえで、自分を呼ぶようにと伝えた。
第五幕
戦争の結果フランス側が敗北し、リアとコーディリアは捕虜にされた。二人の処遇を取り仕切るエドマンドに対して、アルバーニは自身の権限の方が上だと忠告するが、リーガンとゴネリルがそれに反駁し、言い合いになる。そこでアルバーニはエドガーから渡された手紙を証拠として、エドマンドに反逆罪を言い渡し、エドガーを呼び出し、エドマンドと決闘させる。また、ゴネリルは自身の手紙を突き付けられ、その場から逃げ出した。
決闘の末、見事勝利したエドガーは、まだ息のあるエドマンドに正体を明かすと同時に、父のグロスターは自分の正体を知ったとき、あまりの喜びと驚きに絶命してしまったと告げる。
そこにエドマンドを奪い合っていたゴネリルがリーガンを毒殺、彼女自身もこの世を去ったことが告げられる。息絶える前にエドマンドはリアとコーディリアの殺害を命じていたことを自白した。やがて解放されたリアが既に殺害されたコーディリアを抱えて登場する。皆が彼女の死を嘆き、ケントはリアへと正体を明かすが、狂ったリアはそのまま絶命してし、幕を閉じる。
おわりに
今回は省略しましたが、
・リアのそばに付き続けた道化、
・ゴネリルの執事オズワルドとエドガーの戦い、
・リアに忠誠をつくしたケント、 など
他にも様々な重要シーンがあります。 また、このあらすじでは作者の巧みな文章表現を楽しむことはできません。 (あらすじはあくまでサイト運営者が個人で書いたものであり、作品の持ち味や面白さを表現することは出来ていません)
特にシェイクスピアは戯曲の語り方であってこその作品です。 ぜひ作品自体を読んでみてください。
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