シェイクスピア『オセロー』

(約1,400字)ヴェニスの将軍オセローに仕える旗手イアーゴーは、自分ではなくキャシオーという男が副官に選ばれたことに不満を抱き、のし上がる作戦を計画をしていた。

シェイクスピア『ハムレット』

(約1,800字)デンマークでは現在、亡くなった先王の代わりにその弟クローディアスが王を務め、先王の妃であるガートルード娶っていた。先王とガートルードの息子であるハムレットは、平然と王の座についているクローディアス、そして父の死後すぐに叔父と婚…

シェイクスピア『リア王』

(約2,000字)ブリテン王のリアは高齢のため退位し、国を三人の娘に引き渡そうとする。長女のゴネリルと次女のリーガンは巧みな話術で父への敬意を示し、国を分け与えられるが、末娘のコーディリアは率直な物言いしかできず、「父を尊敬するのは当然であり、…

シェイクスピア『マクベス』

(約1,400字)スコットランドのダンカン王は、優秀な武人であるマクベスを大いに評価しており、国を裏切ったコーダの領主を処刑し、その領地をマクベスに与えると決めていた。マクベスは同じく武人のバンクォーとともに荒れ地で三人の魔女に出会う。魔女たち…

シェイクスピア『ヴェニスの商人』

(約1,000字)ヴェニスで商人をしているアントーニオは財産の多くを貿易船に乗せており、その船の安否を心配していた。そこに友人のバーサーニオが現れる。バーサーニオはポーシャという貴婦人に想いを寄せており、彼女と拝謁を許されるだけの財産を欲してい…

武者小路実篤『愛と死』

(約800字)作家である村岡は懇意にしている作家仲間の野々村の家を訪れた際、庭でお転婆に遊んでいた野々村の妹——夏子と知り合うことになる。後日、野々村の誕生会で村岡は余興を強制されるが何もできないでいた。そこに夏子が現れて彼の代わりに宙返りを披…

武者小路実篤『友情』

(約1,200字)脚本家の野島は友人の仲田に誘われた劇場にて、仲田の妹である杉子と顔を合わせると、まだ十六でありながらも完成した杉子の美しさに惹かれ、以降杉子目当てで仲田の家へ通い始める。彼は友人で作家の大宮に杉子への恋心を明かして恋路を応援し…

太宰治『人間失格』

(約3,000字)裕福な家に生まれた葉蔵は、生まれつき人間の生活というものがわからず、他人を恐れ、道化を演じるという手段で他人と関わっていた。しかし彼は自分の本心はその真逆だと感じており、他人の嘘や人に打ち明けられない様々な悩みに震えていた。

太宰治『桜桃』

(約800字)小説家の‘私’には七歳の長女、四歳の長男、一歳の次女と三人の子供がいるが、「子供より親が大事」と思いたいものの、家庭内では子どもよりも父母の方が弱く、子供のご機嫌ばかり覗っていた。

太宰治『ヴィヨンの妻』

(約1,000字)ある晩、夫があわただしく帰宅し、何かを探して引き出しをかき回す音で、彼女の妻は目を覚ました。詩人である夫――大谷は連日飲み歩いて家に帰らないことも多く、彼の家庭は四歳の息子が医者にかかれないほどに貧乏だった。そこに男女二人の客が…

太宰治『ダス・ゲマイネ』

(約1,000字)大学生の佐野次郎(あだ名)はとある遊郭の女に恋をしており、金がないときにはその女によく似たお菊という少女に会うため、彼女の働く甘酒屋に入り浸っていた。彼はそこで奇妙な身なりをした音大生の馬場という男に出会う。 何度か顔を合わせる…

フィッツジェラルド『氷の宮殿』

(約400字)アメリカ南部に住むサリー・キャロルは成長性のない南部に永住することは出来ないと考え、北部に住む男性のハリー・ベラミーと婚約を決める。ハリーが南部を訪れた際、彼女は自分のお気に入りの場所である墓地に彼を連れていくが、墓地にいても気…

フィッツジェラルド『金持ちの御曹子』

(約800字)アンスン・ハンターは金持ちの長男であり、物心ついた時から優越感と自信に満ち溢れた男だった。彼はポーラ・ルジェンドリという、とてもまじめな女性と婚約を誓うが、戦争が終わるまでは結婚を伸ばすことにする。そんな中、ポーラの母が参加する…

フィッツジェラルド『バビロン再訪』

(約400字)主人公のチャーリーは義兄夫婦のもとで育てられている娘に会うため、かつて住んでいたパリに戻ってくる。彼はパリでの生活の中で酒におぼれ、その中で妻のヘレンを失っていたが、現在はプラハで仕事の成功をおさめ、酒は一日一杯に控える、と誠実…