武者小路実篤『愛と死』

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 注意事項

・いわゆるネタバレを含みます。

・あらすじは作品の一部を運営者が独断で切り抜き、纏めたものです。

・作中で設定などが明らかになる順序が前後している場合があります。

・あらすじによって作品を理解することや、その面白さを判断することはできません。ぜひ作品自体を手に取ってみてください。

 

以上のことご了承の上お読みください。

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あらすじ(約800字)

 作家である村岡は懇意にしている作家仲間の野々村の家を訪れた際、庭でお転婆に遊んでいた野々村の妹——夏子と知り合うことになる。後日、野々村の誕生会で村岡は余興を強制されるが何もできないでいた。そこに夏子が現れて彼の代わりに宙返りを披露する。村岡は感謝を抱きながら、次第に夏子に想いを寄せ始める。

 

 ある日、村岡は友人の詩人のために、文芸会で余興のできる人間を探す役割を担う。村岡はその余興を夏子に依頼し、その依頼の手紙をやり取りしているうちに二人の距離は縮まっていく。夏子は短い笑劇の間に宙返りを挟んだ芸を披露し、場をうまく盛り上げた。その後、野々村家で話をしているうちに、二人は互いが想っていることに気付き恋仲になる。

 

 蜜月を過ごす村岡のもとに、彼の叔父からパリへの留学の話が持ちかけられる。夏子と距離を置くのは気が進まなかったが、かねてから計画していたこともあり、村岡は悩んだ末にパリへ赴くことに決めた。村岡は半年で日本に戻ることを約束し、その際には夏子と結婚することを誓う。そして兄や母に結婚の許可をもらったうえで村岡は日本を発った。

 

 パリについてからも二人は文通を続けた。村岡はパリの様子、夏子は村岡の帰りを待ち焦がれて琴や料理の稽古をしていることを綴り、二人は帰国の日を待ちわびていた。半年が過ぎ去り、パリを発って、船に乗ってからも村岡は途中で寄った港で夏子からの手紙を受け取った。

 

 再会の日は近いと、浮かれる村岡だったが、あと数日で到着という日に、野々村から夏子が流行り病で死んだという電報を受け取る。村岡は気分一転で悲しみに伏せ、自分の運命を嘆きながら帰国する。憐れみを向ける兄や母、野々村に迎えられ、夏子の墓を参り、彼女の遺品を手に取ることで、彼女がどれだけ自分との再会を心待ちにしていたかを知らされる。村岡は自分の帰国のための歓迎会において、死について語った。

 

おわりに

今回は省略しましたが、

・母と兄に結婚の了承をもらい、それを夏子に伝えに行く場面、

・野々村が村岡を送りだす際の「夏子は任せろ」という言葉、

・パリ在留中にやり取りした手紙の内容、

・夏子が帰国までの日数を数えていたカレンダー、 など

他にも重要な場面や描写が無数にあります。 また、このあらすじでは作者の巧みな文章表現を楽しむことはできません。 (あらすじはあくまでサイト運営者が個人で書いたものであり、作品の持ち味や面白さを表現することは出来ていません) ぜひ作品自体を読んでみてください。

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